黒豆海苔巻

主に北海道で散歩してるブログ

夜は短し歩けよウトウ

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 天売島は世界一のウトウの繁殖地です。およそ40万つがい、80万羽がいるとされ、図のように地面の穴の中でひなを育てます。

 親鳥は昼間に海で餌を採り、夜になると巣に戻って来ます。今日はその帰巣の様子を観察するナイトツアーに参加します。

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 その前に宿にて腹ごしらえ。大勝利です。ついうっかりビールも飲みました。

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 19時前、迎えに来てくれた車で赤岩展望台に向かいます。途中、ウミネコの営巣地を通過するのですが、全然道を空けてくれないので通るのも一苦労です。

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 赤岩展望台につきました。こうした茂みに穴がいくつもあいています。

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 こちらは雨やら何やらでむき出しになってしまった巣穴。営巣環境は決して安定したものではありません。

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 道端には襲われたひなの姿もあります。ここではオオセグロカモメ、カラス、猫が天敵です。

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 夜風に当たりながら展望台で少し待っていると、空にポツポツと黒い影が現れ始めます。ウトウが戻って来たのです。

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 ものすごい勢いで、ガサバサと茂みに突っ込んでいきます。必ず自分の巣穴より離れたところに降り、とことこ歩いて巣穴まで向かいます。

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 暗くなってから戻るのは、天敵の目を欺くためです。20時前から始まった帰巣は深夜まで続きます。また、この頃はちょうど巣立ちの時期で、ひなも暗闇に紛れて徐々に海に向かっていきます。もちろんそれを狙う奴はいて、欄干からオオセグロカモメの妖しげな声が響いていました。

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 ウトウたちは観察する人々の頭の上すれすれをかすめるように飛んでいきます。その度に力強い羽音が響き渡ります。

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 駐車場の一角では観察のためにLEDライトが灯され、巣に向かい歩くウトウの姿を観察できます。巣立ちを促進するため、この頃ではわざと餌を持ち帰ってこない親もいるのだとか。

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 鳴き交わす声も多く聞かれます。

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 ひなが巣から出て来ています。まさに巣立ちをしようとしているのでしょうか。元気に育って、来年また戻ってくるといいですね。