黒豆海苔巻

主に北海道で散歩してるブログ

水産資源について考える モントレー湾水族館

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 ラッコ観察をした浜のすぐ側にあるモントレーには、イワシ缶詰工場を改修した水族館があります。この夏公開のアニメ『ファインディング・ドリー』の舞台でもあるそうです。そうとは知らず、先日ディズニーランドで買った、映画に登場するカモメのTシャツを着て行ってしまったため、うっかり熱烈なファンのようになってしまいました。

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 入館するとすぐに、そのイワシが頭上の円形水槽を回っていました。美味しそうだな…。

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 最も良かったのは大水槽です。これまで見た中で最も暗い水槽でもあります。ほの暗い水槽の奥からぬーっと近づいてくるクロマグロの大きさに息を飲みます。

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 シュモクザメシイラもいます。とにかく迫力が凄く、正直言って、クロマグロは近づいてくるのを怖いと感じるほどです。こんな魚を食べているのか…とおののくほどです。

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 などとサシミのことを考えていると、何やら小料理屋があります(本物の料理は出てきませんが)。メニューを見ているとカウンターからプレッシャーが…。選ぶ品物によっては「いいね!」と言われたり「ちょっとちょっと」と言われます。何が違うというのでしょう。

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 アメリカのスーパーでは、水産物に『Seafood Watch』というマークがついたものがあり、「Best Choices」から「Avoid」まで、3つの段階が色分けされています。これらはその水産物が持続可能な方法で漁獲されているかを示すもので、このモントレー湾水族館が主催して行なっている取り組みです。

 水族館にある小料理屋は、客が選んだ料理に使われてる水産物が「Best Choices」のものかどうかを教えてくれるのです。カウンターの店員2名が漫才のようにな掛け合いで、それぞれの水産物の漁獲状況を教えてくれます。ちなみにクロマグロは海域にかかわらず「Avoid」です。持続可能な資源かといえばそうではないので、食べるのはお勧めしないというわけです。

 アメリカでは、水産物に対するエコラベル『MSC』のついた商品もよく見ます。新鮮さや味などの品質だけでなく、その裏にある漁獲方法まで知った上で、購入するものを選択できるわけです。1人あたりの水産物消費量が日本の3分の1ほどのこの国で、このような取り組みが広く行われているのには素直に驚きました。

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 この水族館の展示は、そんな教育・研究の部分が大変充実しているのが本当に素晴らしいです。もちろん、建物の雰囲気の良さ、展示されてる生き物の面白さだけでも満足できるでしょう。

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 何と言ってもラッコは人気です。餌やりの時間には大盛況です。ズボラな動きをたくさんするのが可愛らしいのが人気の理由でしょう。後ろから「I wanna be a sea otter…」と呟く声が何度も聞こえ、思いは万国共通だなと感じました。ズボラにしているだけでチヤホヤされたい!ラッコの保全にもこの水族館は力を入れています。

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 Sand Dollarと金に例えられているスカシカシパン。こっちの人は水たまりがあると見ればすかさず硬貨を投げ入れるので、ぴったりといえばぴったりの名前です。

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 クラゲも総じて幻想的。

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 頭足類の特集展示もされており、大盛況。こちらでは特にタコが人気ですね。僕には生簀にしか見えません。お腹が空きました。

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 あいにく曇り空でやや肌寒い日でした。水族館の裏には海が広がり、カヌーを漕ぐ人もちらほら。海藻が密集しているあたりで、2頭のイルカがゆったりと泳ぐのを見ることができました。穏やかな、いい場所ですね。

 

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 ということで、水族館の外で牡蠣など食べて帰路に着いたのでした。