室蘭での半日

9月頭の室蘭。朝も早よから測量山での渡り観察を決行した。秋の空で涼しい。

しかし猛禽たちの渡りにはまだ早かったようで、遠くにアマツバメが舞うだけだ。すぐ後ろの電波塔を離着陸するハヤブサに遊んでもらう。

そろそろ諦めて登山しに行こう。白鳥大橋の先にある室蘭岳に登りに来たのだ。

登山道はスキー場の脇にある。虫除けスプレーをかけてガシガシ登ろう。

夏道コースは基本的に直登なので、振り向く景色は変わらない。だけど室蘭の海が見晴らせるようになるんだろうなという期待感が高まっていくのでワクワクする道だ。

見晴らせた。渡島半島までよく見渡せる絶好の天気だ。

山頂も近い。年配の方や小さな子供連れも多く、市民の山なんだなと思う。札幌にとっての藻岩山みたいなものかな。

登山口から1時間弱で山頂到着。標高は911m。

帰りは西尾根コースから戻ろう。海を左手に見ながらしばしの稜線歩き。

海を見下ろす下り道は足取りも軽い。

渡渉。ひんやりと冷たい川水に癒され下山。北海道百名山をまたひとつ踏破だ。
そのまま道の駅の方に戻って、『むろらん温泉 ゆらら』で汗を流し、休憩室で本を読んでゆっくりする。すぐ裏でイベントをやっており、和太鼓が打ち鳴らされていた。

せっかくだから円形校舎を見に行こう。平成26年に閉校したという絵鞆小学校は、昭和35年にこの円形校舎の姿となった。現在では土日限定で公開されている。ちなみにチームナックスの安田顕の母校でもあるという(サインも置いてあった)。


校舎の中心には素敵な螺旋階段。階段を取り囲むように部屋が配置されている。

ぎしりと軋む音も懐かしく感じるような教室。円の中心側に黒板がある。

円形校舎は戦後復興期に関西を中心に100棟以上が建てられたものであるという。戦争で校舎が焼失したところにベビーブームがやってきた時代である。急いで低コストで校舎を作らなければならないとなった時、坂本鹿名夫が考案した「外周に対して最大の床面積が確保できる」円形校舎が広まったというわけだ。絵鞆小学校もピーク時には1,600人も児童がいたというから凄まじい。鉄鋼や製造業の工場が集積して労働者が集まっていた時代である。

圧巻は「3階」にある体育館。もちろん体育館も円形であり、柱がないのでまさにドームである。実はこの体育館部分だけ外周が下の階より2mほど張り出しており、屋根を支える支柱はその張り出し部分にある。この屋根の組み上げ時には重機はなく、櫓を組んで手作業で作り上げたというからすごい。

体育館のある棟に入れたのは、この時「鉄と光の芸術祭」が行われていたからでもある。校舎内には絵鞆小学校の記憶や、円形にまつわる作品が展示されていた。まだまだ小学校として稼働していた時の息遣いが残るような校舎は、見学可能な資料館としてしっかり管理されており、室蘭の歴史に思いを馳せられる場所になっていた。