ロサンゼルス郡立美術館、通称LACMAを訪れました。ラクマなのかラマクなのかラムカなのか何度も混乱しましたが、LACMAです。ここもゲティセンターに引けをとらず大きな美術館でした。ペイジ博物館に隣接しているので、セットで行くといいでしょう。
ここで面白いのは日本館です。他の建物と比較して異質なこの不思議な建築は、Bruce Goffによるもの。障子や石垣などを模した外観は、日本人として落ち着くようで落ち着きません。
館内はぐにゃぐにゃと曲線の世界です。らせん状のスロープを上り下りしながら、掛け軸や屛風絵を見ます。派手さのない、まさに侘び寂びというような墨絵が余裕を持って展示されています。
美術館というより博物館というような展示品もあります。年代を飛び越えた日本のごった煮のような空間にはなかなか圧倒されるものです。
そしてこの根付の展示室。ものすごい数の根付が放射状のケースに入れられています。
どれも超絶技巧と言える手仕事で細かく作り込まれています。漫画的デフォルメが多いのもキャッチーで可愛く、コレクションしたくなる気持ちがよくわかります。裏側もよく見ることができる展示になっていて、飽きることなく見ていられます。
他の建物の展示室もボリュームがすごいです。国も年代もジャンルも跨ぎに跨いで、情報処理するのが大変です。
ウォーホールもあり、アメリカ感を強く感じます。
西洋美術ということでは、ジャコメッティの彫刻が最も印象深かったです。やや暗い照明の中で立ち並んだ時の凄みに息を飲みました。
こちらで立ち並ぶのは東南アジアの仏像。国や地域で区切られた展示も膨大です。
水木しげるの漫画に育てられた僕としては、太平洋の島々の伝統美術を扱った場所がお気に入りです。アメリカまで来ておいて…という思いもよぎりましたが。
とはいえ、この佇まいの魅力には引き込まれざるをえません。
心踊らずにはいられないミニカーコースまであります。ここだけでも数時間楽しめそうですが、本当に数日掛かりでもゆったり楽しみたい場所でした。ギレルモ・デル・トロ監督関連の特別展示も始まったので、また行こうかな…。