『アフリカの仮面と彫像』をみてきました。こういう、水木しげる的なものは大好物です。山の手にある超絶怒涛の高級住宅地の中腹に佇む札幌彫刻美術館での開催です。
伝染病研究のためにアフリカに滞在した橋本信夫氏の収集品を中心とした、60点の多種多様な仮面・彫像を見ることができます。
一際カラフルなこの面は、コートジボアールはバウレ族の「ゴリ・プレプレ」。ハービー・ハンコック氏やメレ山メレ子氏によって一躍有名になった、カモシカを象った仮面です。おもしろかわいい。
仮面は基本的には儀礼に用いられ、精霊を象ったものが多い様子。仮面を管理し、着用する集団を「仮面結社」というそうです。悪の組織のようでカッコ良いですね。
これも仮面だというから驚きです。コートジボアールのセヌフォ族の「カグバ」は、日本昔話の竜のようですが、角はガゼル的でもあります。
能面のようなものも。なんだか親近感を感じます。
仮面はかぶるだけが目的ではありません。手のひらサイズの旅券用仮面というのも多く展示されていました。その中でも異彩を放つスケベ顔は本展の個人的ハイライトでした。
そんなわけでどれもこれもキャラ立ちしていて面白い。
彫像も個性豊か。ガーナ・アシャンティ族の女性像は、小顔効果を狙ったあざといポージング。
いろいろ描かれた多目的布(ふろしきってことでいいでしょうか)もいくつか。これは大変楽しい。発想が全然違うんですね。
このゆるさよ…。小規模ながら、アフリカのイマジネーションの豊かさをじっくりと味わえる良い展覧会でした。