黒豆海苔巻

主に北海道で散歩してるブログ

アポイ岳に登る

 2015年9月に、日本で8番目に世界ジオパーク認定されたのがアポイ岳です。ゴールデンウィークの晴れ間、有珠山に続くジオパーク巡りとして登ってきました。

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 アポイ岳の高さは810m。登山口は標高80mほどのところで、緩やかな林道を進むところからスタートです。

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 定期的にクマよけの鐘が設置されています。頼りない感じですが、意外としっかりと音が響きます。

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 アポイ岳高山植物の宝庫としても有名ということでした。低山ではありますが、植物には厳しい土壌(後述するかんらん岩のせいです)、年中冷涼でありながら雪は少ないという環境から、この山だけの固有種も多いそうです。ちなみに上の写真はどうやらエゾオオサクラソウという草原性の花で、高山植物ではありませんでした。植物はちょっとね…。

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 五合目で森林限界です。ここから登り道が急になります。しかしこの日は暑かった…。

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 ここから岩場が続くことになるのですが、この「かんらん岩」こそがアポイ岳ジオパークたらしめています。かんらん岩は地殻直下のマントルを構成している岩です。僕はマントルといえばマグマのような液状のイメージがありましたが、実際は固体が対流しているそうです。そんな地殻の下にあるマントルが、プレートの衝突に伴い地表に現れているのがこのアポイ岳なのです。

 なんて聞いても、別に…という感じですが、人類はこれまで数km〜数十kmの厚さの地殻を掘削し、直接マントルに到達したことがないというから驚きです。JAMSTECの掘削船「ちきゅう」がその実現を目標としていますが、目標達成には至っていません。

 そう考えると、こうしてマントルに直接立つことができるのは貴重です。もちろん他にもかんらん岩が露出している部分はあるそうですが、露出のスピードが遅く蛇紋岩に変性していたり、岩石が小さなものばかり、というものばかりだそう。大きく新鮮なままのかんらん岩を味わえるのはアポイ岳だけ!

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 馬の背と呼ばれる尾根を振り返ると、様似の街と太平洋を見渡すことができます。ここまでくればもうひと登り。

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 記録を見ると、1時間55分での登頂、歩行距離は4.97kmでした。森林限界を超えてるのに、山頂付近ではまたもや樹林になるのは不思議。ここでお昼を食べて、緩やかに下山しました。