北海道にきて何度目の冬だろうか。冷たい部屋、除雪の手間、日差しが少なく塞ぐ気持ちといった辛い側面に打ち勝てる日はいつか来るだろうか。味方は布団だけだ。
しかし厳しい冬だからこそ見られるきれいな景色もあるわけで、それが少し心を救ってくれる。今日だったら、朝日に照らされ輝く木々がそう。
看板から生えてきた結晶もそうだ。
太陽を反射する凍りついた湖面も。
波打ち際のわずかな断絶も。
渡り鳥も、結局はここでの冬だからこそのものなのだ。
辛い辛いと言いながら、結局は冬の景色こそを愛しているのだ。
冬に暮らす私以外の全てに敬意を払おう。彼らは布団を持っていないわけだし。