黒豆海苔巻

主に北海道で散歩してるブログ

おのぼり

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 所用で東京に行っていた。

 2泊それぞれ別のホテルを取ったのだが、「〇〇ホテル浅草」と「〇〇ホテル浅草田原町」、「ホテル〇〇浅草駅前」と「ホテル〇〇浅草駅北」を各日ていねいに間違え、1軒目で怪訝な顔をされることを繰り返した。完全に田舎者という感だ。しかし狭い範囲に同じ系列のホテルが乱立するのも悪いのではないか。

 そんなこんなの所用以外の記録。ところでわざわざカメラを持って行っていたのに、一枚もカメラで写真を取らなかったな…。

 

カタストロフと芸術のちから展

 森美術館15周年記念展を見に行った。大惨事はどのように芸術のモチーフになったか、あるいは大惨事に直面した人の心を芸術がどう救済しうるのかという展示。震災や原発の問題、あるいは戦争や虐殺といったテーマは重く心に残る。

 一方で僕が気に入ったのは、生きる気力を無くしてたおばあちゃんに、 昔経営していた商店の商品を一つ一つ絵で描かせたことで、徐々に活力を取り戻させたというものだ。絵としては稚拙かもしれないけれど、商品の記憶は事細かで、サイズ違いまでそれぞれ描き分けられているのは微笑ましくさえ思える。扱われる大惨事は大規模なものからパーソナルなものまであったものの、芸術の力は個人に働きかけるのだと感じられた。とてもいい展示会だった。

 そして僕の好きな池田学の大作が2作見れた。特に、金沢美術館では遠巻きにしか見れなかった『誕生』をごく間近で鑑賞できたのは嬉しい体験だった。

 

 吉村芳生 超絶技巧を超えて

 東京ステーションギャラリーの展示会。毎日撮影した自分の写真を1年分鉛筆で描いたり、何メートルにわたってただ金網を描いたり、人力で緻密なドット絵を描いたり、新聞紙面をそのまま模写したりと、超絶技巧を超えて狂気すら感じる作品が並ぶ。金網は実物に紙を押し当て跡をつけてからなぞったとか、新聞も一度薄く写してからなぞったとか、フリーハンドでないとわかった時になぜか安心感を覚える。

 極彩美麗な花の絵を経由すると、新聞紙面に描かれた自画像が1,000のオーダーで並んでいる。圧巻であると同時に、悪寒を感じるほど気圧された。とんでもない奴がいたものである。

 

天文学と印刷 新たな世界像を求めて

 印刷博物館の企画展。とても雰囲気が良かった。天文学の歴史と印刷の関わりが丁寧に紹介される。科学は印刷されて初めて世に知れ渡ると改めて認識できた。当時は同人誌のように科学書物が作成されていたのだ。

 

トップリーグカップ決勝

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 人生初の秩父宮ラグビー場。いつもテレビで観ている場所である。

 W杯メンバー候補は除いたチーム編成で競われていたカップ戦。決勝はサントリートヨタの戦いである。僕はついに贔屓チームであるサントリーを応援する機会に恵まれたのだ。客席やウォーターボーイで現役日本代表選手を見ることもできて良かった。

 試合としてはトヨタの勝利。しかし何より、終盤に小野晃征選手の復帰を見られたことが嬉しい。個人で切り開いて行ったあのトライも素晴らしかった。直前に退団・引退の話もささやかれたが、本人がリタイアしないと明言してなお嬉しい。ファンとしては、再びW杯でのプレーを見ることができればと願わずにいられない。