もっともアメリカらしい景色をと、グランドキャニオンに行ってきました。ロサンゼルスからは7時間強ほどの距離で、まあ遠かったです。朝日を見るために、週末会社から直行という強行軍でした。
サウスリムの麓・ツサヤンに着いたのが午前2時ごろ。雲ひとつない空でしたが、満月に近い月の光が大変強く、満天の星とはいきません。その代わり路肩では鹿の目がらんらんと輝いており、不安を煽ります。
少し仮眠を取った後、マーサポイントに向かいました。日の出は5:12、徐々に人が集まってきます。日本人のツアー客がたくさんいるのは驚きました。
そして日の出。真正面からの太陽の光で、グランドキャニオンの細部がどんどん鮮明になっていきます。新しい朝がきた…とラジオ体操の歌を口ずさんでしまうような晴れ晴れしさです。最低気温は12℃と、ここまで結構寒かったのですが、太陽光で一気に暖かくなっていきます。
そして明かされたグランドキャニオンの全容。この広大さをどう伝えれば良いのか…。嘘じゃないかと思うくらい果てなく感じます。ちなみに急に明るい写真になりましたが、一度麓に戻り朝マックをしてまた仮眠を取ったため、すでに8時ごろになっています。
まずは渓谷を眺めながらリムトレイルを西へと歩きます。どこまでも切り立った岩山が続きます。すごいな。
ここにはリスの仲間がたくさんいます。これはカワリイワジリスかな。シマリスの仲間なんかもいて、走り回る姿があちこちで見られます。
だんだん暑くなってきました。この日の最高気温は31℃、渓谷の底では43℃に達するといいます。公園の公式サイトにも「今週末はマジで暑いぞ」的な警告があったので、念のため30リットルほどの水を買ってきてはいます。
一旦マーケットプラザに抜けて休憩、無料のシャトルバスに乗ってカイバブポイントまで移動します。
ここからは渓谷の底へ向かうトレイルが伸びています。とはいえ、底のコロラド川まで1日で往復するのは決死の行動なので、1時間ほどだけ歩きました。これが素晴らしく、上からではただの景色だったグランドキャニオンの切り立った高い岸壁に囲まれることで、ようやくこの場所のスケールを体感することができたのです。また、むき出しになった地層ごとに全く違う特性を持つことも間近に観察できます。
しかし往路が下りの逆登山なので、行きはヨイヨイ帰りは…。
そんな道のりで、高く上空をかすめたのはカリフォルニアコンドルでした。写真をいじくりまわしたら、翼にタグが付いているのがわかりました。野生個体は一度は6羽まで減少した絶滅危惧も甚だしい種ですが、動物園などの努力の甲斐あって、再導入が進んでいます。見ることができて嬉しい。
夕日を見るのに選んだのはサウスリムの東の端・デザートビュー。先住民が建てた見張り塔を模した展望台があります。
ここからはコロラド川の一部を見下ろすことができます。隆起した土地をこの川が侵食して今の地形ができた、などと説明されますが、全然納得がいきません!
谷から吹き上がる風が強まってきます。あれだけ暑かったのが、今や寒いほどです。日没の19:48までゆっくりと待ちます。いつの間にやら人も少なくなり、穏やかに日が暮れていきました。
長い1日でした。