イエローストーンからはユタ州を縦断してカリフォルニアに帰るのですが、ユタといえば恐竜発掘の聖地ではないですか。東側の州立恐竜公園まではさすがに行けないので、帰り道上にあるサンクスギビングポイントのMuseum of Ancient Lifeに立ち寄りました。
2000年にオープンしたこの博物館の入り口では、ティラノサウルスがオスニエリアを追いかけていました。
入場してどきりとさせられたのですが、えらく精巧な人形の皆さんが化石発掘の現場を再現していました。皆うつむき暗い顔をしており、作業がいかに過酷であることかと思わざるをえません。実際に化石クリーニングを行うかなり広い作業室もガラス張りで公開されていました。
さて、ここは古生物博物館なので、展示は恐竜にとどまりません。宇宙を模した通路を抜けると、ストロマトライトから始め生命の歴史をたどるような展示が始まりました。カンブリア紀にはユタ州は温暖な浅い海だったため、三葉虫をはじめとした化石も多く見つかっています。ここではそのような化石だけでなく、当時の環境の再現模型がたくさんあることが面白かったです。
時代が進むと、コミカルな魚が出てきました。
天井にはダンクルオステウス。デボン紀まで進んできたようです。
ペルム紀、大きな両生類が出てきました。北米に生息していたというエリオプス、平たいゴジラみたいな顔をしていますね。
そして三畳紀に恐竜が現れました。ヘレラサウルス、エオラプトル、プラテオサウルスが並びますが、いずれも北米以外から見つかっているとか。
恐竜の展示が始まってまず目につくのはスーパーサウルスです。1972年にコロラドで見つかったこの恐竜は、全長33m以上という巨体で写真に収まりきりません。でかいというか、長いな…。
スーパーサウルスの肩甲骨、椎骨、骨盤なんかは実物が展示されています。子供の頃、このスーパーサウルスと今は亡きウルトラサウロスに並び、ハイパーサウルスなる恐竜が描かれた図鑑を見たことがあるように思うのですが、記憶違いだったでしょうか。
ユタの「州の化石」はアロサウルスとのことです。エメリー郡で大量のアロサウルス化石が発見され、研究が進んだことが背景にあるのでしょう。
州の名前がついたのはユタラプトル。ジュラシック・パークが公開された1990年代初頭に発見され、映画内で描かれたような5〜7mと大きなサイズのラプトルがいたことを証明した化石となったそうです。
ガストニアはユタ州で発見された鎧竜。背中に並ぶ三角形の骨がかっこいい。
2つしか見つかっていないステゴサウルス幼体の化石のうち一つはユタ州で発見されたそうです。
次の展示室までの途中にあった「恐竜を作ろう」コーナーには、子供の純心が生み出した禍々しい個体が出来上がっていました。
どれが誰の頭でしょうゲームも。
こちらにはティラノサウルスやトリケラトプス、エドモントサウルス、ドロマエオサウルス、パキケファロサウルスなどなど数多くの全身骨格が多々ありました。大きな口の頭骨はスコミムス。この辺りはユタ州との関連は明らかではなかったものの、とにかく量がすごい。州内でなくても近隣で見つかっているものが多いのです。
アーケロンやフィロサウルスなど海の生き物コーナー、エレモテリウムなどの哺乳類コーナー、そして突然のメガロドンとの記念撮影コーナーと、ボリューミーな展示はまだまだ続きます。が、時間がなくなってきました。
最後はマンモス対ヒトの戦いを描き展示は終了します。
骨格標本の多くはレプリカであるようですが、これだけ多くの数を見られるなら大満足ではないでしょうか。展示説明はややあっさりしていましたが、面白い博物館でした。