国立科学博物館の『恐竜博2019』にも行っていました。出迎えてくれるのはデイノニクスのホロタイプ。関節の作りが合理的すぎて驚きます。カッコいいなあ…。
デイノニクスに始まる展示は、恐竜ルネサンス以降の研究の様子を描き出します。そしてそれは、恐竜が鳥になる道筋でもあるのです。
『恐竜学入門』の表紙にもなったシノサウロプテリクスは、恐竜と鳥をつなぐ象徴と言えるでしょう。原始的な羽毛が生えていることが初めて確かめられた獣脚類恐竜なのです。実物を見ることができて嬉しい。尾に残る痕跡は明瞭です。
今や恐竜は、その体色がわかることもあります。黒い羽毛に覆われていたとされるミクロラプトルです。
アンキオルニスのペリットの化石というのもすごい。いよいよ鳥だという感じですね。
ディノサウロイドでなく鳥になってよかったです。
さて、ここからが本展の目玉のひとつ・デイノケイルスです。目の前に突然現れた巨大な手!肩から指先まで2.4mもあります。1970年代にモンゴルで手だけが見つかっていたのですが、2000年代になって残りの部分がついに発見されました。
全身骨格がこちら。恐ろしい鉤爪から想像するのとは違って、ちょっと面長な草食恐竜だったのにはびっくりします。全長11mというからでかい。
そんなデイノケイルスを狙っていたのではないかとされるタルボサウルス。ちょっとでっぷりとした復元図には愛嬌があります。
そしてもうひとつの目玉がむかわ竜。全身骨格化石としては日本最大級のものです。いつぞやの道の駅での展示以来の再会。
天井の鏡越しに実物と復元化石が並ぶのはにくい。9月頭にはついにカムイサウルス・ジャポニクスとして新属新種に認定されました。めでたい!北海道から発見されたのは誇らしい。
恐竜の骨ぶった切り研究の様子も見ることができます。日本でも恐竜研究が活発になってきたというのは夢のようですね。
最後にティラノサウルス。有名な恐竜や巨大な恐竜を並べるだけでなく、最新の知見を辿ったり、馴染みの薄い、でも面白い恐竜の紹介があったりと、見応えある楽しい展示でした。
別のフロアには、3万年前の航海再現プロジェクトの丸太舟もあり、こちらも大いに感動したのでした。人はすごいものだ…。