ロサンゼルスの街中のアスファルトの湧き出るこの黒い池には、表層に張った水を求めて多くの動物が足を取られて沈んでいったとか。ゾウの悲しい別れが再現されていますが、こんなことが幾度となく起こったようです。
そのおかげでたくさんの化石が残されることとなりました。石油の匂いが漂うこの場所で、化石の研究・保存のために運営されているのがこのペイジ博物館です。
展示はナマケモノの近縁であるグロッソテリウムから。肘から手にかけての骨や、腿の骨の太さに驚きます。
何しろ復元図ではこの筋肉量ですからね!
絶滅したバイソンの背骨の突起が特徴的です。現生種より大きいという背中のコブには、骨が入っていたんですね。ここでは少なくとも159個体が見つかっているそう。
さてここの目玉の一つはスミロドンです。サーベル”タイガー”と呼んでいますが、英語だとセイバートウース”キャット”でした。90度まで開く口、巨大な牙など、狩るために生まれてきた「ハンティング・マシーン」と紹介されていたのにはちょっと笑ってしまいました。
成長とともに大きな犬歯が生え変わる様子まで化石で示されていました。新旧の歯が完全に共存する時期があるようで、歯の間に食べ物が挟まってさぞ気になっただろうと慮られます。それにしても乳歯と言える方の犬歯は薄く、永久歯のためのくぼみまであるのはよくできています。
スミロドンはこんなマストドンなどを捕食していたといいます。
ナマケモノも狩られていたようですね。
スポーツシューズの陳列のようなのは全てダイアウルフの頭骨です。並んでいるのは404個体分だそうですが、ここで発見されたのは1,600個体以上というから驚きです。
知られている中で一番大きなイヌ科の動物だそうです。模型の顔はちょっと凶悪すぎませんか。
ラボは丸見えで恥ずかしいくらいです…。でもわくわくしますね。
そこにあったこの噛み合わせ再現ペンチが欲しくてたまりませんでした。使い道は思いつきませんが。
展示数は少ないのですが、昆虫の化石があるのにもびっくりです。トンボがこんな風に残るなんてすごいな。
規模は大きくないものの、豊富すぎる化石に圧倒される博物館でした。