タウシュベツ橋梁を見てきました。タウシュベツ川を渡るため昭和初期にかけられた、国鉄士幌線の名残です。1955年にできたダム湖・糠平湖に沈み、水位の変化に応じてその姿を現したり現さなかったりという橋です。崩落が徐々に進み、毎年のように「今年が見納めでは…」と囁かれる存在です。
冬季はダムが水を抜くため水位が下がり、橋の姿がくっきりと現れます。湖面は凍結しているため、湖を歩いて渡り、橋の間近まで行くことができるのです。ヒグマの心配がないのも良いです。
この日は湖面に入れる最終日。積もった雪も少なく、スノーシューなしで歩くことができました。片道20〜30分ほどの行程です。
ワカサギ釣りのテントを望みながら、立てられた竹竿を頼りに歩みを進めます。
湖面に薄く積もった雪をよけると、立ち上る気泡を閉じ込めた氷を見ることができます。奥行きを感じさせる模様に目が吸い込まれそうになります。同時に自分が湖の上にいると自覚し、少し足元に不安を覚えたりします。
しかし目をあげると、あまりに開けっぴろげな景色なので、不安はさらりとなくなってしまいます。平らな雪原と青い空しかない場所に立つのは素晴らしい体験です。
湖の水位は少しずつ下がっているようで、沿岸部らしき場所では大きく氷が割れています。
周りが下がっていった結果、流木の上に氷が残っている姿もよく見ました。どの氷もおかきみたいな形で楽しい。
湖面を渡り対岸に着くと、地面が露出している部分がありました。ごろごろと石の転がる様子を見ると、黒曜石がいくつも転がっているじゃないですか!うっかり石拾いを開始してしまい、大幅に時間を溶かすことになりました。
とかなんとかして、ついに橋に到着。これはね、すごい迫力でしたよ。
石を詰めてできた橋なんですね。崩落する前にがっちり見ることができてよかったです。見に行く価値も十分にあります。