七合目ヒュッテまでの道が11月8日から冬季通行止めになるとのことで、今年最後のチャンスとばかりに樽前山へのご来光登山をしました。
日の出は6時すぎ。それならば5時半ごろから登れるようにと4時に出発です。いざ車を出そうとすると、ヘッドライトに照らされたアライグマが目の前を横切ります。私の住む住宅地では最近キツネも住みついていて、ネズミを見る機会も増え、みんなしたたかだなあ、病気には気をつけないとなあ、などと思いつつ車を走らせます。
支笏湖半で満点の星空を眺め、悠然と歩くエゾシカにヒヤヒヤしているうちに、おおよそ予定通りに七合目の駐車場に到着。びっくりするほど車が停まっており、まだ夜明け前だというのに係員の方が駐車案内までしてくれます。考えることはみんな同じなんだな。
最初こそ足元を照らしながら登ったものの、見晴台に着いた時点ですでに白白とし始め、早々とライトはお役御免となりました。
ぐいぐいと登っていきます。山肌を吹き下ろす風は弱いものの冷たく、手袋をしていても手がかじかみます。東山山頂の手前に座り、日の出の時間を待ちます。
溶岩ドームは朝霧と噴気に包まれ、厳かな雰囲気です。
地面に目を向けると、風が山肌を撫でるのに合わせて一面を霜が覆っていくのが分かります。
待っていると、いよいよ日の出です。雲の上に顔を出してからはあっという間に昇っていきます。
霧と霜で覆われた地面がの黄金色が、柔らかく周囲を包みます。麓からはエゾシカの鳴き声が響き、幽玄な雰囲気です。
なんてあたたかい輝きだろう。
照らされる山肌もやさしく美しい。
長々と伸びる自分の影で遊びながら下山しました。