黒豆海苔巻

主に北海道で散歩してるブログ

よるとひかり『アフターダーク』

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 札幌芸術の森美術館の企画展『アフターダーク』へ。「日没後」をテーマに、北海道ゆかりの作家11名の作品が展示されています。

 

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 藤倉翼さんはネオンサインをアーカイブしています。

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 展覧会のメインイメージにもなっているこの作品は、すすきのにあるサッポロビールのサインの星の部分を拡大したもの。こうしてまじまじとネオンサインを見るのは初めてです。真ん中の星ほどくたっとしてきているのがキュート。ネオンサインは職人の手作業でできていることを気づかされます。

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 平面的には「南」と見える文字でも、こんなに巻き込みを工夫して作られているのです。土地土地の職人による創意工夫がとても楽しい。全国的にネオンサインは撤去、また代替品もあり、こうしたサインが新設される機会は少ないとのことで、街で見かけることがあったら今後は機会を逃さずチェックしなくてはなりません。そんな状況の中、故郷・名古屋だけはいまだにネオンサインが作られ続ける一大ネオン都市であるそう。この展示にひときわ心奪われたのは、郷愁の思いからなのだろうか…。

 

 闇を照らす人工的な光ということでは、川上勉さんによる、自販機を題材にした写真シリーズも面白かったです。どこから電源を引っ張っているのかもわからないような北海道の大雪原の中、ポツンと、しかし煌々と自販機は誰に何を照らしているでしょう。そんな自販機に「盗難防止のため」と腰巻がついているのもなんだかシュールで愛嬌すらあります。

 

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 手島圭三郎さんの版画からは、夜の森の怪しさや、動物の蠢きを感じられました。しんとした夜と対峙した思い出が迫ってくるようです。

 

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 藤原千也さんの彫刻『太陽のふね』は、ポプラの古木をまるまる使った作品。まずはその存在感に圧倒されるでしょう。

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 この彫刻には一筋の光が差し込む場所があり、それがとても美しい。この木がかつて持っていた命の煌めきのようでもあります。暗い中でこそ光はより力強く美しさを湛えるのです。