旭山動物園は北海道に来たばかりの時に行ったことがありました。ということは、もう10年近く前というわけで、過ぎ去った年月に心臓を握りつぶされそうな気分にもなります。
有名なアザラシの筒。アザラシが通過するのを待つ間は、向かい側に立つ人の顔が円柱型の水槽でゆがんでいるのを見つめることになり、お互いに直視しづらい楽しい時間を過ごすこともできます。
アザラシもそうですが、旭山動物園では動物が水中でどんな動きをしているのかよく観察できるのが面白いですね。泳ぐシロクマの後肢のカエル足具合は個人的ツボでした。
以前来た時になかったのはカバ館です。「口周りの肉が可愛い」「こっち向いてー」などと黄色い声援を浴びながらも動じず、水面上にちらりと顔を覗かせるような姿を見ることの多かったカバですが…
ここではこうして元気に泳ぎ回る姿を見ることができます。どれくらい元気かというと、とっさに写真を撮ったら尻しか写っていなかったくらいです。この辺りは「行動展示」を掲げる動物園ならではの工夫が活きている部分でしょう。
シンリンオオカミも見所です。何度も遠吠えを繰り返していました。
ちょうど3色揃い踏みで登場。隣のエゾシカを見つめているのでしょうか。
かつては北海道にもオオカミが生息していたことをこの展示は示しています。シロクマやカバも目玉ではありますが、こうして北海道の動物園として北海道に関わる動物の紹介も丁寧に行われているのも特色です。
エゾタヌキ、エゾシカ、キタキツネ、ヒグマなど、おおよそ網羅されているのです。
ゆるいフクロウに導かれると、鳥類の展示です。
ややファンファンウィヒザステステ気味なオオコノハズク。
虚ろなワシミミズク。
してやったりな犯人。猛禽類が揃うこの場所も気に入りました。
学生だった約10年前は、とにかく混雑がすごかったことを覚えています。アザラシ館やシロクマ館は入るのに行列ができ、フラッシュ撮影を注意する声が止むこともありませんでした。全国的にテレビで報道され、映画やドラマまで作られたほどの熱狂は過ぎ去ったのでしょう。今回は日曜日の訪問ですが、ストレスなく園内を回ることができ、3時間強もあれば全てをじっくり見ることができます。
行動展示の見ごたえが変わるわけではないですし、キリン舎・カバ館など新しい展示も増えるなど、さらなる工夫も加えられているので、改めて足を運んだ意義がありました。
アムールトラの子供を見れるのも今だけでしょう。